集客の最初の準備

一人で開業するとき、ホームページは要るか

この記事の結論

  • 店を構える・お客さんのところへ行く仕事なら、まず無料のGoogleビジネスプロフィールを整える。ホームページはそのあとでよい
  • オンラインだけで仕事をする人、会社相手の仕事、単価が高い仕事は、早めに自分のドメインのホームページを持つ
  • どちらでも、屋号・事業内容・料金の目安・問い合わせ先がわかる「1ページ」は、名刺やチラシを作る前に用意しておく

一人で開業するとき、ホームページを最初から作るかどうかは、お客さんがどこからあなたを探すかで決まります。店を構える人と、オンラインだけで仕事をする人では、最初にやるべきことが違います。

この記事では、ホームページ・Googleビジネスプロフィール・SNSの3つを比べて、事業の形ごとに何から始めればよいかを整理します。

開業した人の半分が「お客さん探し」で苦労している

日本政策金融公庫総合研究所の「2025年度新規開業実態調査」では、開業時に苦労したこととして「顧客・販路の開拓」を挙げた人が49.9%いました。調査時点で苦労していることでも48.8%で、項目の中でいちばん多くなっています。

この調査の対象は、日本政策金融公庫が2024年4月〜9月に融資した企業のうち、融資の時点で開業後1年以内だった企業です(回答2,165社、三つまでの複数回答)。開業した人全体の数字ではありませんが、開業してからもお客さん探しに苦労する人が多いことがわかります。

ホームページは、そのお客さん探しの道具の一つです。ただし、作っただけでお客さんが来るわけではありません。自分の事業に合う順番で準備することが大事です。

開業時によくある失敗

開業前に費用をかけてホームページを作ったのに、問い合わせのほとんどは知人の紹介か、店の前を通った人だった。店を構える開業でよくある、順番の失敗です。お客さんが地図アプリで店を探すなら、先に整えるべきは無料のGoogleビジネスプロフィールのほうです。

よく見るのは、次の3つです。

  1. 開業資金でいきなり高いホームページを作る:見た目は立派でも、探してもらえる仕組みがないと、問い合わせにつながりません。
  2. SNSだけで済ませて、問い合わせ先がわかりにくい:投稿は見てもらえても、料金や連絡方法がまとまった場所がないと、お客さんが迷います。
  3. 地図アプリに店の情報がない、または古い:店を構える仕事なのに、Googleマップで見つからない、営業時間が違う、という状態はもったいない失敗です。

3つの選択肢を比べる

見るところ 自分のドメインのホームページ Googleビジネスプロフィール SNS(Instagram・Xなど)
費用 ドメインとサーバーの費用がかかる。制作を頼むなら制作費も 無料 無料で始められる
向いている事業 どの事業でも使える 実店舗や、お客さんのところへ行くサービスなど、対面でやり取りする事業 写真や日々の発信で魅力が伝わる事業
出る場所 Google検索など Googleマップ・Google検索 各SNSの中
載せられること 自由に決められる 営業時間、ウェブサイト、電話番号、住所やサービス提供地域、写真・動画、口コミへの返信など 投稿・プロフィール
注意点 作ったあとも更新が要る オンラインだけの事業は対象外 料金や連絡先がまとまりにくい

Googleの公式ヘルプによると、Googleビジネスプロフィールでは、Googleマップと検索での表示を無料で管理できます。対象は、実店舗やお客さんのところへ行くサービスなど、対面でやり取りする事業で、オンラインだけの事業は対象外です。利用にはGoogleアカウントが必要で、オーナー確認を済ませると情報を編集できるようになります。

事業の形ごとに、何から始めるか

店を構える人(飲食・小売・美容室など)

お客さんの多くは「近くの店」を地図アプリで探します。最初にやるのは、Googleビジネスプロフィールで店の情報を正しく出すことです。営業時間、電話番号、住所、写真をそろえ、口コミが付いたら返信します。

ホームページは、メニューや料金、予約方法をまとめたくなった段階で作れば十分です。Googleビジネスプロフィールにはウェブサイトや予約のリンクを載せられるので、ホームページを作ったらそこからつなぎます。

お客さんのところへ行く仕事(出張サービス・職人など)

この形もGoogleビジネスプロフィールの対象です。住所を出したくない場合は、業種によってサービス提供地域を設定する方法があります。そのうえで、施工例や料金の目安を載せたホームページがあると、比べて選ばれやすくなります。

オンラインだけで仕事をする人(デザイン・ライター・コンサルなど)

Googleビジネスプロフィールの対象外なので、自分のドメインのホームページを早めに持つのがおすすめです。実績、できること、料金の目安、問い合わせ方法をまとめた1ページがあるだけで、SNSや紹介から来た人が判断しやすくなります。

会社相手の仕事、単価が高い仕事

取引を始める前に、相手が会社のことを調べるのが普通です。屋号や事業内容、所在地の考え方、問い合わせ先が確かめられるホームページがないと、それだけで候補から外れることがあります。開業と同時に用意しておきたい道具です。

ホームページを作るなら、最初に載せること

最初から何ページも作る必要はありません。まずは次の内容が1ページでわかれば十分です。

  • 屋号と、何をしている事業か
  • 誰向けのサービスか、どの地域で対応するか
  • 料金の目安
  • 実績や事例(あれば)
  • 問い合わせ方法(メール、フォーム、電話のどれか)
  • 営業日・営業時間(店や対面の仕事なら)

自分のドメインを使うと、名刺やチラシに載せたアドレスを、あとでサービスを乗り換えても変えずに済みます。メールアドレスも同じドメインでそろえられます。

自作するか、頼むか

一人で開業する人なら、最初は自作で始めて、問い合わせが増えてから作り直す順番が無理がありません。判断の目安は次の3つです。

  • 毎月、自分で更新できるか:料金や営業日を自分で書き換えられないと、情報が古くなります。更新を人に頼むと、そのたびに時間とお金がかかります
  • 見た目がお客さんの判断を左右するか:デザインそのものが実績になる仕事や、高い単価で選ばれる仕事は、最初から作り込む価値があります
  • 開業資金に余裕があるか:開業直後は、運転資金や仕入れにお金が要る時期です。ホームページにかける額は、ほかの支払いと並べて決めます

外注する場合も、ドメインとサーバーは自分の名義で契約しておくと、制作会社を変えたときにアドレスを引き継げます。

開業前のチェックリスト

  • お客さんがどこから自分を探すか(地図アプリ・検索・SNS・紹介)を書き出した
  • 店や対面の仕事なら、Googleビジネスプロフィールに登録した
  • 営業時間・電話番号・住所(またはサービス提供地域)が正しいか確かめた
  • 屋号・事業内容・料金の目安・問い合わせ先がわかる1ページを用意した
  • 名刺・チラシ・SNSのプロフィールに、同じアドレスを載せた
  • ホームページを作るなら、自作か外注か、毎月どれくらい更新できるかを決めた

まとめ

一人で開業するときのホームページは、「要るか要らないか」ではなく「いつ、何から始めるか」で考えます。店や対面の仕事なら無料のGoogleビジネスプロフィールから、オンラインの仕事や会社相手の仕事なら自分のドメインのホームページから始めてください。どちらでも、料金の目安と問い合わせ先がわかる1ページは、開業前に用意しておくと安心です。

出典