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道具の比較

開業1年目の会計ソフト、freee・マネーフォワード・弥生の選び方

この記事の結論

  • 1年目の費用をとにかく抑えたい人:やよいの青色申告 オンライン(セルフ・ベーシックは初年度無料のキャンペーン中)
  • インボイス登録をする人:消費税申告ができるプランを選ぶ(やよいの青色申告 オンラインは全プラン、freee会計はスタンダード以上、マネーフォワード クラウド確定申告はパーソナル以上)
  • 操作を電話で聞きたい人:やよいの青色申告 オンラインのベーシック(電話サポートつきで初年度無料)

開業1年目の会計ソフトは、「インボイス登録をするか」「電話で質問したいか」「1年目の費用をどこまで抑えたいか」の3つで決めるのがいちばん迷いません。

どのソフトも、青色申告の確定申告書を作ってe-Taxで出すところまではできます。違いが出るのは、料金・消費税申告の有無・サポートの手厚さです。この記事では、2026年10月時点の公式の料金ページをもとに、開業1年目の人が見るべきところだけを比べます。

開業直後に「経理・税務がわからない」で困る人は多い

日本政策金融公庫総合研究所の「2025年度新規開業実態調査」では、開業時に苦労したこととして「財務・税務・法務に関する知識の不足」を挙げた人が36.4%いました。調査時点で苦労していることでも32.2%が挙げています。

項目 開業時に苦労したこと 現在苦労していること
資金繰り、資金調達 56.9% 36.2%
顧客・販路の開拓 49.9% 48.8%
財務・税務・法務に関する知識の不足 36.4% 32.2%

この調査の対象は、日本政策金融公庫が2024年4月〜9月に融資した企業のうち、融資の時点で開業後1年以内だった企業です(回答2,165社、三つまでの複数回答)。開業した人全体の数字ではありませんが、開業1年目に経理と税金でつまずく人が少なくないことはわかります。

会計ソフトは、この「わからない」を減らすための道具です。ただし、どれを選んでも自動で全部やってくれるわけではありません。自分の事業に合わないプランを選ぶと、あとで乗り換えの手間がかかります。

開業1年目によくある失敗

開業してしばらくは表計算ソフトで売上と経費を付けていたものの、通帳・カードの明細とレシートが別々にたまっていき、確定申告の直前に1年分をまとめて整理することになる。開業1年目によくある流れです。途中でインボイス登録をすると消費税の申告が必要になり、選んでいたプランでは足りないと、そこで気づくこともあります。

開業の相談でよく見るのは、次の3つです。

  1. 確定申告の直前にソフトを入れる:1年分のレシートと通帳を2月にまとめて入力することになり、どのソフトでも大変です。
  2. プライベートの口座やカードで事業の支払いをする:銀行・カードの明細の自動取り込みを使っても、事業とプライベートの取引を1件ずつ分ける作業が残ります。
  3. インボイス登録をしたのに、消費税申告ができないプランのまま:インボイス発行事業者の登録を受けると、消費税の納税義務は免除されません。消費税の申告が必要になります。

3社の料金とプランを比べる

料金はすべて税抜き、年払いの金額です(2026年10月25日に各社の公式ページで確認)。

freee会計(個人事業主向け)

プラン 年額 主な違い
スターター 11,760円(月あたり980円) 確定申告書の作成、銀行・カードの明細取得、請求書の作成。レシートの撮影・アップロードは月5枚まで。消費税申告はできない
スタンダード 23,760円(月あたり1,980円) スターターの機能に加えて、消費税申告、レシートの撮影枚数の増加、詳細レポート、サポートの優先対応
プレミアム 39,800円(月あたり3,316円) スタンダードの機能に加えて、電話サポート、税務調査のサポート、データ移行の代行

freee会計は「〇×の質問に答えて確定申告書を作成」できるとしています。入力・仕訳作業を代行してもらう「入力おまかせ」プラン(年額49,800円)もあります。

マネーフォワード クラウド確定申告

プラン 年額 主な違い
パーソナルミニ 10,800円(月あたり900円) 青色・白色の確定申告書の作成、電子申告、銀行・カードの明細の自動取り込み。レシート撮影は月15件まで。消費税申告はできない
パーソナル 15,360円(月あたり1,280円) パーソナルミニの機能に加えて、消費税申告(インボイス制度対応)、レシート撮影は月30件まで
パーソナルプラス 35,760円(月あたり2,980円) パーソナルの機能に加えて、電話サポート、レシート撮影は月100件まで

1か月の無料トライアル(1事業者1回・クレジットカード不要)があります。なお、公式ページには「2026年12月に料金体系の一部改定を予定しています」と書かれています。申し込む前に最新の料金を確かめてください。

最新の料金と無料トライアルの条件は、公式サイトで確かめられます:マネーフォワード クラウド確定申告

やよいの青色申告 オンライン

プラン 年額(無料期間のあと) 主な違い
セルフ 11,800円 機能はすべて使える。サポートはWebのよくある質問など
ベーシック 22,800円 セルフのサポートに加えて、電話・メール・チャットで操作の質問ができる
トータル 39,600円 ベーシックのサポートに加えて、仕訳・経理業務・確定申告の相談ができる

弥生は3プランとも機能は同じで、違うのはサポートの範囲だけです。消費税申告もどのプランでもできます。2027年3月15日までの申し込みなら、セルフとベーシックは初年度無料、トータルは初年度半額(年額19,800円)になるキャンペーンをしています。適用は1事業者1回で、自動更新の支払い方法(口座振替かクレジットカード)の登録が必要です。

初年度無料キャンペーンの条件と最新の料金は、公式サイトで確かめられます:やよいの青色申告オンライン

3社をまとめると

見るところ freee会計 マネーフォワード やよいの青色申告 オンライン
いちばん安いプランの年額 11,760円 10,800円 11,800円(初年度は無料)
消費税申告ができる最安プラン スタンダード 23,760円 パーソナル 15,360円 セルフ 11,800円(初年度は無料)
電話サポートがある最安プラン プレミアム 39,800円 パーソナルプラス 35,760円 ベーシック 22,800円(初年度は無料)
お試し 無料で登録して試せる 1か月の無料トライアル 初年度無料のキャンペーン

開業1年目の人が決める順番

1. インボイス登録をするかを先に決める

取引先が会社で、インボイス(適格請求書)を求められる仕事なら、登録を考えることになります。登録すると消費税の申告が必要になるので、消費税申告ができるプランを選びます。freee会計ならスタンダード以上、マネーフォワードならパーソナル以上です。弥生はどのプランでもできます。

登録しない場合は、消費税申告のない安いプラン(freee会計のスターター、マネーフォワードのパーソナルミニ)でも足ります。

2. 電話で質問したいかを決める

簿記がまったくわからない、チャットより電話で聞きたい、という人は、電話サポートのあるプランを選びます。3社で比べると、電話サポートがいちばん安く付くのはやよいの青色申告 オンラインのベーシックです。

3. 青色申告の65万円控除をとるなら、e-Taxで出す前提にする

国税庁によると、青色申告特別控除の65万円を受けるには、55万円の控除の要件(複式簿記で記帳し、期限までに申告するなど)を満たしたうえで、e-Taxで申告するか、帳簿を優良な電子帳簿として保存する必要があります。3社とも、ソフトからe-Taxで申告書を出せます。

4. 迷ったら、無料の期間に2社さわってみる

会計ソフトの使いやすさは、画面を触ってみないとわかりません。freee会計は無料登録、マネーフォワードは1か月の無料トライアルで試せます。自分の銀行口座とカードをつないで、1か月分の明細が分けやすいかを見るのがいちばん確実です。

申し込む前のチェックリスト

  • 事業用の銀行口座とクレジットカードを、プライベートと分けた
  • インボイス登録をするかを決めた(する場合は消費税申告ができるプランにする)
  • 電話サポートが要るかを決めた
  • 青色申告承認申請書を出したか、出す期限を確かめた
  • 料金ページで最新の価格とキャンペーンの条件を確かめた
  • 無料期間が終わったあとの年額と、解約の方法を確かめた

まとめ

開業1年目の会計ソフトは、機能の多さより、自分の事業に合うプランを最初に選べるかが大事です。インボイス登録をするなら消費税申告ができるプラン、電話で聞きたいなら電話サポートのあるプラン、費用を抑えたいなら初年度の無料キャンペーンを見て決めてください。

出典