この記事にはプロモーション(広告)が含まれます。

道具の比較

小さな店のレジとキャッシュレス決済の選び方:開業前に決めること

この記事の結論

  • 小さな店のレジは「iPad・iPhoneのレジアプリ+カード決済の端末」が一般的。先に決済サービスを決め、それと連携するレジアプリを選ぶと迷いにくい
  • 比べるのは、決済手数料・入金の回数・振込口座の条件・端末の費用の4つ。手数料は売上にかかるので、値付けに入れておく
  • 決済サービスには加盟店の審査がある。審査の期間はサービスや申し込みの内容で変わるので、開業日から逆算して、内装や許可の手続きと並行して申し込む

店を開くとき、レジとキャッシュレス決済は開業日までに決めておきたい道具です。この記事では、一人で飲食店や小売店を開く人向けに、何をどの順番で決めればよいかを、決済サービスの公式ページの条件をもとに整理します。

キャッシュレスで払う人は、もう半分を超えている

経済産業省の算出では、2025年のキャッシュレス決済比率は**58.0%**でした(2026年3月31日公表)。金額は162.7兆円で、内訳はクレジットカードが82.7%、コード決済が10.2%、電子マネーが3.7%、デビットカードが3.4%です。

この比率は、今回の算出から「国内指標」という新しい計算方法で示されています。従来の計算方法とは数字が違うので、古い記事の数字と並べて比べないように気をつけてください。

政府は2030年までに65%という目標を掲げています。小さな店でも「現金のみ」にすると、払えずに帰るお客さんが出る前提で考えたほうがよい状況です。

開業前に決めること(全体の順番)

  1. 受け付ける支払い方法を決める:現金だけにするか、カード・電子マネー・QRコードも受けるか
  2. 決済サービスを決める:手数料・入金の回数・振込口座で比べる
  3. レジアプリを決める:決済サービスと連携するものから選ぶ
  4. 端末と周辺機器をそろえる:iPad・iPhone、レシートプリンター、キャッシュドロアなど
  5. 会計ソフトとつなぐ:売上を手で打ち直さなくて済むようにする

レジアプリから選ぶと、あとで「使いたい決済サービスと連携していなかった」となりがちです。お金の流れに直接かかわる決済サービスを先に決めるのがおすすめです。

決済サービスで比べる4つのこと

小さな店でよく使われる2つのサービスについて、公式ページに書かれている条件を並べました(2026年10月26日時点)。

比べること Airペイ Square
決済手数料 0.99%〜3.24%(主なカード・電子マネーは3.24%。条件を満たすと主なカードが2.48%になるプログラムを実施中) 対面は2.5%〜(年間のキャッシュレス決済額が3,000万円未満で、主なカードブランドの場合。それ以外は3.25%〜)
入金の回数 みずほ・三菱UFJ・三井住友は月6回、そのほかの金融機関は月3回 みずほ・三井住友は翌営業日、そのほかの金融機関は毎週金曜日
振込手数料 0円(ゆうちょ銀行は使えない) Squareが負担
端末 カードリーダーは無償貸与。iPadかiPhoneが別に要る Square リーダー(第2世代)は4,980円
初期費用・月額 かからない 基本のプランは月0円

数字は変わることがあります。申し込む前に、公式ページで最新の条件を確かめてください。もっとくわしい比べ方は、別の記事でまとめる予定です。

1. 決済手数料

手数料は**売上の何%**という形でかかります。たとえば、カードの売上が月100万円で手数料が3.24%なら、月3万2,400円です(金額は説明のための例です)。

原価率や家賃と同じく、値付けを決めるときに入れておきます。

2. 入金の回数

キャッシュレスの売上は、その日のうちには手元に入りません。入金が月3回なのか、翌営業日なのかで、仕入れや家賃の支払いに使えるお金の量が変わります。

開業直後は手元のお金が少ないので、売上が入る日と、支払いの日を並べて書き出しておくと安心です。

3. 振込口座

入金を早くするには、決まった銀行の口座が要ることがあります。事業用の口座をまだ作っていないなら、決済サービスの条件を見てから銀行を選ぶと二度手間になりません。

4. 端末の費用

カードリーダーの価格は、サービスやキャンペーンで変わります。どちらのサービスもiPadやiPhoneは別に用意する前提です。

レジアプリで比べること

レジアプリは、無料で始められるものが多くあります。たとえばAirレジは、公式ページで「レジ機能が0円」としています(一部に有料の機能があります)。iPadかiPhoneと、インターネットにつながる環境があれば使えます。

レジアプリを選ぶときは、次の点を確かめます。

  • 使いたい決済サービスと連携しているか(会計の金額が決済端末に自動で送られるか)
  • 使っている会計ソフトに、売上を自動で取り込めるか
  • 商品やメニューの登録、割引の設定が、自分の店のやり方に合うか
  • 在庫を管理する商売なら、在庫数や棚卸の機能があるか
  • 飲食店なら、注文の入力や、キッチンへの伝え方に合うか

在庫を数える商売では、レジで在庫数を記録しておくと、年末の棚卸が楽になります。棚卸のやり方は個人事業主の棚卸のやり方にまとめています。

インボイス登録をしているなら、レシートも確かめる

インボイス制度に登録している(適格請求書発行事業者になった)店は、お客さんに求められたらインボイスを渡す必要があります。

国税庁によると、小売業や飲食店業のように不特定多数の人に売る商売では、**宛先などを省いた「適格簡易請求書」**を渡すことができます。レジから出すレシートを適格簡易請求書にするなら、登録番号などの記載事項がレシートに出るように、レジアプリの設定を確かめてください。

インボイスに登録するかどうかは、取引の相手(お客さんが会社員か、事業者か)によって変わります。登録するかどうかを決めてから、レジの設定をします。

つまずきやすいところ

公式ページの条件から考えて、開業前につまずきやすいのは次の点です。

  1. 審査を待つ時間を見ていない:決済サービスは申し込んだあとに加盟店の審査があります。Squareの公式ページでは、審査は通常1〜3営業日で、JCB・Diners Club・Discoverは別の審査で通常5〜15日、QRコード決済は各事業者の審査で通常30日以内とされています。QRコード決済まで開業日に間に合わせるなら、1か月以上前に申し込むつもりで段取りします。
  2. 振込口座が条件に合わない:Airペイはゆうちょ銀行の口座が使えません。事業用の口座を作る前に確かめます。
  3. 入金のタイミングを資金繰りに入れていない:売上があっても、入金日まではお金が手元にありません。
  4. 端末をそろえていない:レジアプリもカードリーダーも、iPadやiPhoneがないと動きません。古い端末だと動かないこともあるので、対応している機種を確かめます。
  5. 会計ソフトとつないでいない:毎日の売上を手で打ち直すと、時間がかかるうえにずれが出ます。

会計ソフトとつなぐ

レジアプリの売上を会計ソフトに自動で取り込めば、毎日の記帳がぐっと楽になります。連携できるかどうかは、レジアプリと会計ソフトの両方の案内で確かめてください。会計ソフトの選び方は、開業1年目の会計ソフトの選び方にまとめています。

この記事で紹介している会計ソフト:やよいの青色申告オンライン、マネーフォワード クラウド確定申告

開業前のチェックリスト

  • 受け付ける支払い方法(現金・カード・電子マネー・QRコード)を決めた
  • 決済サービスの手数料・入金の回数・振込口座・端末の条件を、公式ページで確かめた
  • 手数料を値付けに入れた
  • 開業日から逆算して、決済サービスに申し込んだ
  • 振込口座を用意した(決済サービスの条件に合う銀行か確かめた)
  • 決済サービスと連携するレジアプリを選んだ
  • iPad・iPhoneが、レジアプリと決済端末に対応しているか確かめた
  • レシートプリンターやキャッシュドロアが要るか決めた
  • インボイスに登録しているなら、レシートの記載事項を設定した
  • レジアプリと会計ソフトをつないだ
  • 売上の入金日と、仕入れ・家賃の支払日を書き出した

まとめ

小さな店のレジは、iPadやiPhoneのレジアプリと、カード決済の端末の組み合わせで始めるのが一般的です。先に決済サービスを、手数料・入金の回数・振込口座・端末の4つで比べて決め、それと連携するレジアプリを選びます。審査には時間がかかるので、開業日から逆算して、ほかの準備と並行して申し込んでおきましょう。

出典