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道具の比較税理士はいつから必要?開業1〜2年目の頼みどきと、費用・探し方
この記事の結論
- 個人で開業して売上が小さいうちは、会計ソフトで帳簿と確定申告を自分で回せることが多い。頼みどきは、法人化するとき、消費税の課税事業者になるとき、人を雇うとき
- 税理士の報酬は2002年に税理士会の報酬規定がなくなり、事務所ごとに自由に決まる。「相場」より、頼む範囲と金額を見積もりと契約書で確かめる
- 探し方は、日本税理士会連合会の「税理士情報検索サイト」で登録を確かめるのが基本。紹介サービスを使う場合も、最後は登録と契約の範囲を自分で確かめる
開業してすぐに税理士と顧問契約を結ぶ人もいれば、何年も自分で確定申告をする人もいます。どちらが正しいということはなく、事業の形と、自分でできる範囲で決まります。
この記事では、開業1〜2年目の人が税理士に頼むタイミングを場面ごとに整理し、報酬の決まり方と探し方を、日本税理士会連合会と国税庁の資料(2026年10月時点)をもとにまとめます。
開業した人の3人に1人以上が、税金の知識不足で苦労している
日本政策金融公庫総合研究所の「2025年度新規開業実態調査」では、開業時に苦労したこととして「財務・税務・法務に関する知識の不足」を挙げた人が36.4%いました。調査時点で苦労していることでも32.2%が挙げています。
この調査の対象は、日本政策金融公庫が2024年4月〜9月に融資した企業のうち、融資の時点で開業後1年以内だった企業です(回答2,165社、三つまでの複数回答)。開業した人全体の数字ではありませんが、開業してからも税金の悩みが続く人が多いことがわかります。
現場でよく聞く、税理士を探し始めるきっかけと、よくある失敗
支援の現場で、税理士を探し始めるきっかけとしてよく聞くのは次の3つです。
- 法人化したとき:会社にしたのを機に、税理士を探し始める人が多くいます
- 自分で申告するつもりが、思った以上にややこしかったとき:個人事業の申告を自分でやるつもりだったが、期限が近づいてから急いで探す
- 会計ソフトで自分でやろうとして、手に負えなくなったとき:決算や申告の段階で行き詰まって探す
1は法人化を考え始める目安の記事で、2と3は下の「税理士に頼むタイミング」の節と会計ソフトの選び方で詳しく取り上げます。
税理士への相談でよく見る失敗は、次の3つです。
- 確定申告の直前に探し始める:税理士事務所にとっても、確定申告の時期はいちばん忙しい時期です。余裕のある時期に相談を始めるほうが、話を聞いてもらいやすくなります。
- 頼む範囲を決めずに契約する:帳簿づけまで頼むのか、決算と申告だけなのかで、手間も費用も大きく変わります。
- 資格のない人に税金の相談や申告書づくりを頼む:日本税理士会連合会は、税理士業務は有償・無償を問わず、税理士または税理士法人以外は行えないと注意しています。
そもそも税理士は何をしてくれるのか
日本税理士会連合会によると、税理士業務は、有償・無償を問わず、税理士または税理士法人以外の人は行えません。開業した人が税理士に頼むことが多いのは、次のような仕事です。
- 確定申告書・決算書類の作成と提出
- 税金についての相談(経費になるか、どの届出を出すか など)
- 帳簿のチェックや、記帳の仕方のアドバイス
- 税務署から連絡が来たときの対応
帳簿をつけるだけの「記帳代行」を別の事業者に頼むこともできます。ただ、税金の判断や申告書の作成は税理士の仕事です。
税理士に頼むタイミング
まだ自分でできることが多い時期
個人で開業して、売上が小さく、取引の数も多くないうちは、会計ソフトで帳簿をつけ、自分で確定申告をする人も多くいます。最初の1年は自分でやってみて、お金の流れをつかんでから頼むかどうかを決める、という考え方もあります。会計ソフトの選び方は、開業1年目の会計ソフトの選び方にまとめています。
頼みどきになりやすい場面
| 場面 | 理由 |
|---|---|
| 法人化するとき | 会社は事業年度ごとに決算をし、法人税などの申告をします。個人の確定申告より書類が多く、手間が増えます |
| 消費税の課税事業者になるとき | 2年前の課税売上高が1,000万円を超えたときや、インボイス登録をしたときは、消費税の申告が必要になります |
| 人を雇うとき | 給与から源泉徴収をし、年末調整などの手続きが増えます |
| 売上が伸びて、帳簿づけに時間が取られるとき | 本業に使う時間と、税理士に払う費用を比べて決めます |
| 融資を受けたいとき | 決算書や事業計画の数字を整えるときに相談する人もいます |
法人化を考え始める目安は、個人で開業して1〜2年目、法人化を考え始める目安ときっかけにまとめています。
税理士の費用はどう決まるか
報酬は事務所ごとに自由に決まる
日本税理士会連合会によると、2002年4月1日施行の改正税理士法で、それまで税理士会が定めていた報酬規定は廃止されました。今は、税理士が自分の責任と説明のもとで報酬を決めています。同会は、税理士に頼むときは、頼む範囲と報酬額について契約書を結ぶことを勧めています。
つまり、「税理士の費用はいくら」という決まった相場はありません。同じ「顧問契約」でも、何をどこまで頼むかで金額が変わります。
見積もりで分けて確かめる項目
見積もりを取るときは、次の項目に分けて金額を出してもらうと、比べやすくなります。
- 毎月の顧問料:相談に乗ってもらう範囲と回数
- 決算・確定申告の料金:年に1回の申告書づくり
- 記帳代行の料金:帳簿づけまで頼む場合
- 年末調整・給与計算の料金:人を雇っている場合
- 税務調査の立ち会い:通常の料金に含まれるか、別料金か
同じ条件で2〜3か所から見積もりを取り、頼む範囲を契約書に書いてもらうのが確実です。
税理士の探し方
登録を確かめる
日本税理士会連合会は、税理士名簿に登録のある税理士と税理士法人を、氏名や事務所の所在地で調べられる「税理士情報検索サイト」を公開しています。税理士は必ず事務所の所在地を管轄する税理士会に所属し、名簿に登載されています。どの方法で見つけた税理士でも、ここで登録を確かめておくと安心です。
紹介サービスを使う
条件に合う税理士を自分で探す時間がない人は、税理士紹介サービスを使う方法もあります。業種や地域、予算などの希望を伝えて、合いそうな税理士を紹介してもらう仕組みです。
なお、日本税理士会連合会は、インターネット上の税理士紹介サイトは同会とは一切関係がないと注意しています。紹介サービスを使う場合も、紹介された税理士の登録を検索サイトで確かめ、頼む範囲と金額は自分で契約書に残してください。
相談できる税理士がまだいない人は、弥生の税理士紹介サービス
で、開業したばかりの人の相談に乗ってくれる税理士を探す方法があります。
選ぶときに確かめること
- 開業したばかりの小さな事業や、自分の業種を担当した経験があるか
- 連絡の方法(面談・電話・チャット)と、返事の早さ
- 頼む範囲と、毎月・毎年の金額が契約書に書かれるか
- 会計ソフトを使っている場合、そのソフトのデータで受け取ってもらえるか
チェックリスト
- 今の売上・取引の数で、自分で帳簿と確定申告を回せるか考えた
- 法人化・消費税の課税事業者・人を雇う予定があるか確かめた
- 頼みたい範囲(相談だけ/申告まで/記帳まで)を決めた
- 確定申告の時期より前に、相談を始める予定を立てた
- 候補の税理士の登録を「税理士情報検索サイト」で確かめた
- 2〜3か所から、同じ条件で見積もりを取った
- 頼む範囲と金額を契約書に書いてもらった
まとめ
税理士は、開業したらすぐに必要というものではありません。売上が小さいうちは会計ソフトで自分で回し、法人化・消費税の課税事業者・人を雇うといった場面が近づいたら相談を始めるのが、開業1〜2年目の人には無理のない順番です。報酬は事務所ごとに自由に決まるので、頼む範囲を決めて見積もりを取り、契約書に残してください。
出典
- 日本税理士会連合会「税理士に相談する」(2026年10月25日確認):https://www.nichizeiren.or.jp/consultation/expart/
- 国税庁「税理士制度」Q&A(2026年10月25日確認):https://www.nta.go.jp/taxes/zeirishi/zeirishiseido/qa/index.htm
- 国税庁 タックスアンサー No.6501 納税義務の免除(令和8年4月1日現在法令等):https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6501.htm
- 国税庁 タックスアンサー No.2090 新たに事業を始めたときの届出など(令和8年4月1日現在法令等):https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2090.htm
- 日本政策金融公庫総合研究所「2025年度新規開業実態調査〜アンケート結果の概要〜」(2025年12月5日):https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/kaigyo_251205_1.pdf