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開業の手続きと順番青色申告承認申請書の期限と、出し忘れたとき
この記事の結論
- 1月16日以後に開業したなら、青色申告承認申請書の期限は開業日から2か月以内。1月15日までに開業したなら、その年の3月15日まで
- 出し忘れたら、その年は白色申告になる。翌年から青色申告にしたいなら、翌年の3月15日までに出す
- 申請書はスマホからもe-Tax(WEB版)で出せる。その年の12月31日までに税務署から通知がなければ、承認されたものとみなされる
青色申告承認申請書は、開業届よりも期限が短い書類です。1月16日以後に開業した人は、開業日から2か月以内に出す必要があります。この期限を過ぎると、その年は青色申告の特典を受けられません。
この記事では、国税庁の手続の案内とタックスアンサー(令和8年4月1日現在法令等)をもとに、期限の数え方、出し忘れたときの考え方、出したあとにやることを整理します。開業届と一緒に出す書類の全体は、開業届の出し方と期限、一緒に出す書類にまとめています。
開業時に税金の知識不足で苦労した人は3人に1人以上
日本政策金融公庫総合研究所の「2025年度新規開業実態調査」では、開業時に苦労したこととして「財務・税務・法務に関する知識の不足」を挙げた人が36.4%いました。
この調査の対象は、日本政策金融公庫が2024年4月〜9月に融資した企業のうち、融資の時点で開業後1年以内だった企業です(回答2,165社、三つまでの複数回答)。開業した人全体の数字ではありませんが、開業直後に税金の手続きでつまずく人が少なくないことがわかります。青色申告承認申請書の出し忘れは、その典型です。
青色申告承認申請書でよくある失敗
開業届と一緒に出すつもりで青色申告承認申請書を後回しにし、気づいたときには開業から2か月を過ぎていた、というケースです。その年は白色申告になり、65万円の青色申告特別控除も、赤字を翌年以後3年間繰り越せる純損失の繰越しも使えません。設備や準備にお金がかかって1年目が赤字になる人ほど、この影響は大きくなります。
よく見るのは、次の3つです。
- 開業届と同じ期限だと思い込む:国税庁の今の案内では、開業届の期限は開業した年分の確定申告期限までです。青色申告承認申請書はずっと短く、開業日から2か月以内です。
- 「開業日」をあいまいにしたまま出す:期限は開業日から数えるので、いつ事業を始めたかを先に決めておく必要があります。
- 家族への給与の届出を忘れる:家族に給与を払って経費にしたいなら、「青色事業専従者給与に関する届出書」も別に必要です。
期限は開業した日で決まる
国税庁の「所得税の青色申告承認申請手続」の案内によると、期限は次のとおりです。
| 開業した時期 | 青色申告承認申請書の期限 |
|---|---|
| その年の1月15日まで | 青色申告をしようとする年の3月15日まで |
| その年の1月16日以後 | 事業を始めた日から2か月以内 |
期限が土曜日・日曜日・祝日などに当たる場合は、その翌日が期限になります。
期限の目安の例
- 1月10日に開業した人:その年の3月15日まで
- 4月1日に開業した人:6月1日ごろまで
- 9月20日に開業した人:11月20日ごろまで
日付の数え方で迷う場合は、期限ぎりぎりではなく、開業届と同じ日に出すのがいちばん確実です。
自分の期限を確認する:開業日から届出の期限を調べるページに開業日を入れると、青色申告承認申請書を含む主な書類の期限が一覧で出ます。
出し方
国税庁は、e-Taxソフト(WEB版)の「マイページ」から申請する方法を案内しています。スマートフォンやタブレット、パソコンから使えます。パソコンのe-Taxソフトで作って出すこともでき、書面を作って税務署に持参・送付することもできます。
税務署の総合窓口の受付時間は、令和8年10月1日から原則として午前9時から午後3時までです。土日祝日と年末年始(12月29日〜1月3日)は受け付けていません。
出したあと、承認の通知が来なかったら
国税庁の案内によると、青色申告の承認を受けようとする年の12月31日までに処分の通知がなかったときは、承認されたものとみなされます。その年の11月1日以後に新たに業務を始めた場合は、翌年の2月15日までです。
出し忘れたときはどうなるか
期限を過ぎてしまった年は、青色申告の特典を受けられません。その年は白色申告で確定申告をします。
ただし、白色申告でも帳簿は必要です。国税庁の開業届の記載要領は、事業所得などを生ずべき業務を行うすべての人に、記帳と帳簿書類の保存が必要だとしています。「白色だから記帳しなくてよい」わけではありません。
翌年から青色申告にしたい場合は、原則どおり「青色申告をしようとする年の3月15日まで」に申請書を出します。出し忘れに気づいたら、翌年の3月15日を待たずに早めに出しておくと、忘れずに済みます。
青色申告にすると何が変わるか
国税庁のタックスアンサー「No.2070 青色申告制度」に載っている主な特典です。
| 特典 | 内容 |
|---|---|
| 青色申告特別控除 | 正規の簿記(一般的には複式簿記)で記帳し、貸借対照表と損益計算書を添付して期限内に申告すれば最高55万円。さらにe-Taxで申告するか優良な電子帳簿保存をすれば最高65万円。それ以外の青色申告者は最高10万円 |
| 青色事業専従者給与 | 生計を一にする15歳以上の家族で、事業に専ら従事している人に払った給与を、届出書の金額の範囲内で必要経費にできる |
| 貸倒引当金 | 売掛金などの貸倒れの見込額を、一定の範囲で必要経費にできる |
| 純損失の繰越しと繰戻し | 赤字を翌年以後3年間繰り越して、各年の所得から差し引ける。前年も青色申告なら、前年分に繰り戻して還付を受けることもできる |
開業1年目は、設備や準備にお金がかかって赤字になることもあります。赤字を翌年以後に繰り越せる点は、開業する人にとって大きな特典です。
帳簿は原則7年保存
青色申告の帳簿と書類は、原則として7年間保存します。請求書・見積書・納品書・送り状など、5年間の保存でよい書類もあります。
65万円控除を受けるなら、会計ソフト選びも一緒に
最高65万円の控除を受けるには、e-Taxで申告するか、優良な電子帳簿の要件を満たして保存する必要があります。電子帳簿の方法で受ける場合は、別に届出書も必要です。会計ソフトを選ぶときは、開業1年目の会計ソフトの選び方も見てください。
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出す前のチェックリスト
- 開業日(事業を始めた日)を決めた
- 開業日が1月15日までか、1月16日以後かを確かめた
- 期限の日付を手帳やカレンダーに書いた
- e-Tax(WEB版)で出すか、書面で出すかを決めた
- 家族に給与を払うなら、青色事業専従者給与に関する届出書も用意した
- 会計ソフトか帳簿の付け方を決めた
- 出したあと、控えや送信の記録を保存した
まとめ
青色申告承認申請書の期限は、1月16日以後に開業した人なら開業日から2か月以内です。開業届より期限が短いので、開業届と同じ日に出すのがいちばん確実です。出し忘れた年は白色申告になりますが、白色でも帳簿は必要です。翌年から青色申告にしたいなら、翌年の3月15日までに申請書を出してください。
出典
- 国税庁 A1-8 所得税の青色申告承認申請手続(2026年10月25日確認):https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/09.htm
- 国税庁 タックスアンサー No.2070 青色申告制度(令和8年4月1日現在法令等):https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2070.htm
- 国税庁 タックスアンサー No.2072 青色申告特別控除(令和8年4月1日現在法令等):https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2072.htm
- 国税庁 A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続(2026年10月25日確認):https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/04.htm
- 国税庁「個人事業の開業・廃業等届出書」書き方(記載要領・2026年10月25日確認):https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/pdf/h29/01_kakikata.pdf
- 日本政策金融公庫総合研究所「2025年度新規開業実態調査〜アンケート結果の概要〜」(2025年12月5日):https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/kaigyo_251205_1.pdf